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Hello英語でビジネス

「『Hello.』『Hi.』『Nice to meet you.』などから会話をスタートして、『My name is~』とつなげましょう。握手もしっかり交わすように。日本でのおじぎに相当する、一般的なコミュニケーションです。会話がいち段落したら名刺交換するのが自然。英語で名刺は『Business card』と呼び、『Could I exchange business cards, if you don’t mind?』、“もしよろしければ、名刺交換をさせていただけますか?”と切り出します。渡すとき、受け取るときは必ず両手で。片手だと失礼になるのは全世界共通です」

交換が済んだら、名刺に書かれている部署名などの情報をチェック。営業部は「Sales department」になるなど、代表的な部署の英語表記は事前に確認しておいた方が賢明だ。ところで、名刺交換後、自分の部署の仕事内容について詳しく話していると、クリスが渡したばかりの名刺にボールペンで何やら書き始めるが、ここでムッとしてはいけない。

「日本には“名刺は人なり”という言葉があるように、丁寧に扱うほど良しとされますが、欧米では交換した後は人物インフォメーションが書かれた単なる紙片、という程度。ラフに扱ったり、メモ代わりに使う人もたまにいるので、心に留めておきましょう」

日本の欧米化が進んだとはいえ、名刺交換ひとつで、こんなにも違うのか…。相手の文化と常識を知ることが、英語圏ビジネスマンとうまく付き合っていくための第一歩というわけだ。

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「相手の信用度をはかるために、テーブルマナーを観察する英語圏ビジネスマンは非常に多い。テーブルマナーはイギリス式やアメリカ式、フランス式などに細かく分かれていますが、どれかひとつを習得すれば大丈夫です」

特に日本で間違って覚えられているマナーで注意したいのが、パスタの食べ方。スプーンとフォークを使って両手で食べるのは、欧米では子どもの練習用の食べ方だという。

ほかに、たとえば誘う側が店を予約すべきとか、入り口から一番遠い席が上座になるなどのマナーは、日本と変わらないそう。そして気になる誘い方はというと…。

世界的に認知度が高く、日本でもメジャーなことから、竹村さんが推奨するのはイギリス式のテーブルマナー。ナイフは右手、フォークは左手のスタイルを常に絶対厳守し、パスタなども左手で食べる

「初回は『I was wondering if you might be available for lunch on Wednesday.』、“もしよろしかったら、水曜日あたりランチご都合いかがでしょうか?”という聞き方が、丁寧で良いでしょう。親しくなったら『Are you free for lunch today?』、“今日、ランチどうですか?”でもOKです。代表的な返事は『I’d be happy to(have lunch).』、“ランチ、喜んでご一緒します”、『I’d rather not, I’ve got a full schedule now.』、“スケジュールが詰まっていてご一緒できません”といったところ。英語圏の人はランチの誘いに対しYes/Noがはっきりしており、日本のような腹芸もありません」

日本だと「忙しいけど行かなかったら失礼になる」なんて考えて、気持ちとは逆の返事で応じる人もしばしば。英語圏の人とのビジネスランチにそんな気遣いは無用なので、気軽に誘ってみてはいかが?


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途切れない英語フリートーク術をマスター

天気と趣味がおすすめの話題。ただしスポーツの場合、日本のJリーグやプロ野球を観ている人は少ないので、国際試合や欧米のリーグを話題にした方がよいそう。音楽の話題でもJ-POPよりは洋楽がベター

得意先のアメリカ人、クリスと商談中、英語が堪能な上司が席を外し、2人きりに。上司の不在時に勝手に仕事の話を進めるわけにはいかない。英語圏ビジネスマンと雑談すべきシチュエーションになったらどうしたらいい? All Aboutビジネス英会話ガイドの竹村和浩さんに聞いた。

「前提として、英語圏は沈黙を嫌います。日本だと気にしない人も多いですが、欧米では非常に気まずいものと意識されており、悪印象を与える可能性も。会っている間は会話を途切れさせないことが社会的なマナーです。まずはとにかく話すこと」

欧米の学校では、ランチ時に教師を飽きさせないよう話をする係を設けて会話の訓練をするところもあるぐらい、会話し続けるスキルを持つことが社会常識とされているとか。

「雑談の足がかりに最適な話題は天気です。天気はどんな人でも何がしか感想を持っており、また、晴れていて心地良いときも、雨で文句があっても、大抵は会話する人同士が“同意”できますよね。“同意”し、お互いが分かり合える部分を増やすことが、英語圏では良い関係を作るための第一歩なんです。代表的な表現は『It’s a beautiful day, isn’t it?』、“とてもいい天気ですね?”と聞き、返答は『Yes, it really is!』、“本当にそうですね!”など。『beautiful』の部分を、暑い日であれば『hot』、寒い日であれば『cold』、蒸し暑い日であれば『sticky』と変化できます」

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英語で雑談のスタートに最適なのが天気の話題。誰にでも共通するテーマで、誰でも同じように考えるようなことを聞き、“同意”できる部分を増やすことで相手との良い関係を作っていく傾向が、英語圏にはある

天気の話で雑談をスタートしたら、次はスポーツや音楽など趣味の話に移行しよう。

「英語圏ではプライバシーを守る意識が日本より格段に高く、家族や恋愛などの個人的なことを聞くのはNG。スポーツなら『Did you see a baseball game last night?』、“昨夜の野球の試合を観ましたか?”などと聞き、観ていたら『Which team do you on?』、“どちらのチームのファンですか?”と広げます。ポイントはプライベートを避け、趣味を中心に相手が答えられそうな質問をたくさん用意しておき、聞き役にまわること。そうすれば自然と会話も弾み、途切れない雑談ができるはず」

ちなみに竹村さんによれば、アメリカ人は野球、ヨーロッパ人はサッカーを好む傾向があるとか。まずは相手の出身国を事前に調べておき、スポーツの話題から攻めてみてもいいかも。

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英語圏での接待などの“お付き合い”とは?

パーティーなどに招待されたら、細心の注意を払いたいのが身だしなみ。ネクタイはした方が無難で、だらしない格好だけはくれぐれもしないように。今後、ビジネスの相手にされなくなるかも…

取引先のアメリカ人、クリスからメールが届く。件名は「Invitation to our foundation party. 」、“弊社の創立記念パーティーへのご招待”。英語圏ビジネスマンとの交流が増えれば、パーティーなどの誘いを受けることもしばしば。仕事上の“お付き合い”で失敗しないための常識を、All Aboutビジネス英会話ガイドの竹村和浩さんに聞いた。

「英語圏では、接待など取引先との仕事上の“お付き合い”のために、レストランでディナーをともにするようなことは稀。たいていはビジネスランチか、創立記念やセールスイベントの打ち上げなど、会社主催のパーティーが中心になります。日本のように忘年会など年中行事に関連して接待を行うケースもあまりありません」

というのも、英語圏では、オンとオフを区別する意識が強く、終業時間以降はプライベートタイムと考える人が多いから。そのため、オンタイムに行うビジネスランチや、会社が業務の一環と位置付けるパーティーが、一般的な“お付き合い”の場と捉えられているのだとか。

「出席する際に注意したいのは、身だしなみ。日本でパーティーというと、オンタイムよりカジュアルな場と考え、普段のスーツをノータイにして着くずす人もいますが、慎むべきです。英語圏の人は服装などの外見に対して敏感で、その厳しさは日本以上。着ているもので、その人が信頼できるか値踏みすることもあるんですよ。ビジネス用スーツにすこし華やかなネクタイとチーフを合わせるぐらいがいいでしょう」

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上が親しい間柄での個人的なやり取りなどでのお誘いの場合、下が会社を冠するパーティーなどでのインビテーションの例文。特に下の文面はフォーマル度の高いパーティーで使用されることが多い

ところで、日本人が英語圏の人を、接待など仕事上の“お付き合い”のためにお誘いする際、どんな飲食店を選ぶべき?

「いまや英語圏でも食事で箸を使うのは常識になっているので、洋食にこだわる必要はありません。ただし、欧米には生魚を受け付けない人が多いので、『Is there anything you don’t want to have?』、“何か召し上がらない物はありますか?”などと尋ね、食材の好き嫌いなどを確認しておくのが無難です」

ちなみに、日本では“取引先と一献”とか接待なんて場合に、隣にキレイな女性が座る店で、なんてイメージがあるけど…。

「欧米では仕事上の“お付き合い”でそういう店に行くことは皆無。男同士でもセクハラと非難される可能性が高いので厳禁!」

世界標準からズレた、日本流の悪しきおもてなし術ってわけか…。英語圏の常識を知り、上手に“お付き合い”していきたいものです。

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英語圏の人に飲みに誘われたときの対応は?

英語圏の人との“一杯”は、完全にプライベートと捉えるべし。お誘いは親愛の表れともとれるけど、逆にいえば一緒に飲んだからといって仕事上で特別に評価されることもない。心に留めておこう

商談終わりに、得意先の仲の良いアメリカ人男性、クリスが「Do you have something special for tonight?」、“今夜用事ある?”と聞いてくる。「No, not special.」、“特に何もないよ”と答えると、「How about going out for a drink?」、“一杯どう?”と誘われ、初めて飲みに行く流れに。日本では飲みニケーションなんて言葉があり、親睦を深めるため、仕事関係の人とのお酒の席を重視することもあるけど、英語圏ではどんな感覚? All Aboutビジネス英会話ガイドの竹村和浩さんに聞いた。

「英語圏ではたとえ仕事の得意先の人とでも、終業後に飲みに行くのは100%遊び。プライベートの過ごし方のひとつとして、お酒を飲みに行くことを選んだ、という感覚なので、日本の飲みニケーションのように深い意味を考える必要はありません」

クリスが単純に一緒にお酒を飲みたがっているのはわかったけど、相手は英語圏。何を話したものやら…。

英語圏でも割り勘は一般的。「割り勘の提案では『Let’s go Dutch!』、“オランダ風にやろう”という、ラフな言い方もあります。オランダ人が非常にお金に細かかったという昔の風説に由来しています」(竹村さん)

「相手の趣味などを調べて質問を用意し、聞き役に回るようにすると話が盛り上がります。意外にヒットするのが日本の食文化で、たとえば英語圏にはない習慣ですが、お酒を注ぎ合うことを『This is a Japanese way of communicating each other by exchanging a sake.』、“これが、互いに注ぎ合ってお酒を交換しコミュニケートする日本のやり方です”とか紹介したり、皿に料理がすこしだけ残っていたら『This is Enryonokatamari.』なんて話したら、とても喜んでくれますよ。日本文化に興味を持ち、体感したいと思っている英語圏ビジネスマンは非常に多いですから」

会話も一段落し、気になってきたのが会計。英語圏にもおごりや割り勘ってあるの?

「おごりや割り勘の感覚は日本と変わりません。相手との関係やその場の雰囲気、招待したのはどちらかなどで臨機応変に使い分けます。たとえば誘われて、先方から『It’s on me.』、“おごります”と言われたなら、『Let’s separate the bill!』、“割り勘にしましょう”と答えるのが自然な流れですね」

英語圏の人との仕事が増えれば、“一杯”飲みに行く機会も増える。楽しいお酒を一緒に嗜もう。

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英語圏の人への“すみません”は要注意!

「I’m sorry.」と言葉にすることは、謝っていることに対して自分に責任があると伝えることと表裏一体。会社同士の利害につながる問題では補償を請求されることもあるので、慎重になろう

日本人が言いがちな“すみません”。英語圏の人とビジネスが頻繁になれば、普段と同じ感覚で使いそうになるけれど、要注意なのだとか。All Aboutビジネス英会話ガイドの竹村和浩さんに聞いた。

「“すみません”というと『I’m sorry.』を思い浮かべる人が多いと思いますが、英語で近いのは『Excuse me.』で、“申し訳ありません”が『I’m sorry.』。英語圏のビジネスで“謝る”ということは、日本の感覚と大きく異なります。『I am sorry.』や『apologize』、“謝罪する”という言葉には、『I am responsible for it.』という意味が含まれており、“自分に責任がある”ことを表明することになるんです」

ゆえに、金銭的な利害が絡むような場面では、安易に『I’m sorry.』と言葉にすると、賠償などのトラブルにつながる可能性も。欧米では交通事故の後、『I’m sorry.』と言ってしまうと、被害者であっても損害賠償を巡る裁判で負けることもあるそう。

「日本の習慣と同様に、誠意を表すために最初に言ったり、“まあまあ、そこまでしなくても”というような相手の共感を期待して謝るのはやめましょう。ポイントは、慎重に、“何について、どのように謝るか?”を明確にすること」

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謝罪する際の代表的なフレーズ。常に、“何について、どのように謝るか?”をはっきりさせて表現することが大切。自分の責任の範囲を超えたことまで謝るのは避けた方がよい

たとえば、相手に納品すべき荷物が配達業者の遅延によって届かないなら、「The delay is for delivery service.」、“配達業者の遅延により遅れています”と、客観的に状況を説明。そのうえで、「Please accept our deep apologies for your inconvenience this may have caused you.」、“ご不便をおかけしたこと、心よりお詫び申し上げます”と謝るのが適切なんだとか。また、明らかにこちらに非があるときは、「We accept responsibility for the late delivery.」、“遅配に関しては全面的に私どもの責任です”ときちんと謝罪することも大切。
「特に利害が発生しないなら『I’m sorry.』はコミュニケーションの潤滑材。見極めが肝心です。また、“~していただいてすみません”という日本語が代表例ですが、“すみません”が『Thank you.』に相当することも多いんですよ」
英語圏の人に謝る際は、言葉にする前に考えるクセをつけるようにしよう。

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英語プレゼンテーションを成功させる基本テク

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導入・本論・結論という流れが、英語プレゼンテーションの基本。それぞれの細かい要素を分解すると上図のようになり、各項目を埋めるようにすれば、オーソドックスなプレゼンができあがる

自社の商品のプレゼンテーションを、新規取引先の外資系企業を相手に、英語で行うことになった! 日本語でもプレゼンは苦手なのに、英語でとなると不安がいっぱい…。All Aboutビジネス英会話ガイドの竹村和浩さんに、英語プレゼンのポイントを聞いた。

「グローバル化が進んで世界規模で競争が激しくなり、個人や企業、さらに国も、積極的に売り込みをしないと生き残れない現在、英語プレゼンはビジネスの必須スキルになりつつあります。ポイントは、まず、とにかく自信を持つこと。日本のプレゼンだと導入で“聞きにくい箇所もあるかとは思いますが”というような前置きをして聴衆との距離を縮め、ツカミにすることもありますが、英語圏では通用しません。相手の貴重な時間を割き、話を聞いてもらうという感覚なので、自信のある態度でプレゼンしないと失礼になります」

自信を表すために効果抜群なのが、出だしと結びの発音をパワフルにすることだそう。

「冒頭は『Ladies and gentlemen!』、“みなさん!”、最後は『Thank you for listening!』、“ご清聴ありがとうございました!”で、子音では息を勢いよく吐き、母音では体全体に共鳴するように、のどを大きくあけて発音しましょう。初めと終わりがパワフルだと、聴衆は拍手がしやすい。内容と同じぐらい、話している際の印象が、プレゼンの評価を左右するんですよ」

日本人がプレゼンでやりがちな失敗がジョーク。「何度か見たことがありますが、意味がわからずポカンとされるケースがほとんど。リスクは冒さず、まじめに話した方が成功する確率は高いです」(竹村さん)

印象面でもうひとつ注意したいのが服装。「presentation」という言葉は、“考えを口頭で発表すること”という意味のほか「You have a good presentation today.」、“今日の服装いい感じだね”という用例があるように“身なり”を指すこともあり、プレゼンと服装は切っても切れない関係なんだとか。隙のないスーツスタイルで臨もう。

「英語圏のプレゼンにはギリシャの哲学者、アリストテレスの著作『弁論術』より続く伝統があり、小学校や幼稚園でも『Show & Tell』といって、夏休みの宿題をみんなの前で発表するような授業があるぐらい、子どものころから慣れ親しんでいます。基本の構成は導入・本論・結論で、そのフォーマットに沿って最も伝えたいことを突き詰めるのは、日本と変わりません。後はリハーサルを重ね、必ず1回は他人にチェックしてもらうなど、入念に準備をしましょう」
しっかり準備すれば、プレゼン本番での自信にもつながりそうだ。


英語圏ビジネスマンから“デキる”と思われたい!

グローバル化が進み、英語でやりとりする仕事が増えているこのごろ。一応コミュニケーションはできているけれど、一人前のビジネスマンたる者、それだけじゃ不満。今後の取り引きを盛んにするためには、“デキる”人と思われる必要があるはずだ。そこで、英語圏ビジネスマンから“尊敬される”方法を、All Aboutビジネス英会話ガイドの竹村和浩さんに聞いてみた。

「尊敬を得る方法のひとつが、発音。というのも、欧米には発音によってその人の教育レベルを推し量るという暗黙の習慣があり、発音が美しい人ほど高い教育を受けている、と考えるからです。きれいな発音のコツは『f』『k』『h』『s』などの子音を息で強く吹きつけるようにはっきり発音すること。英語圏の人にとって聞き取りやすい、クリアな英語になりますよ」

とはいえ、きれいな発音は一朝一夕には身につかなそう。普段から練習するクセをつけるべきかも。

もうひとつ、“尊敬される”ポイントは、日本そのものについてよく知っていることだという。

「英語圏では、自分にないものを持っている人を尊敬し友人として求める、強い傾向があります。英語圏の人が日本人にみる、自分が持っていない最たるものといえば、日本人であること、なんです。そのため、日本人や日本という国、その文化や歴史について興味を持っている欧米のビジネスマンは非常に多いんですよ」

エリート層になればなるほど、日本の文化や歴史について知りたがる人は多く、なかには意地悪な質問でその人の知識レベルを試し、今後付き合う価値があるか、値踏みする人もいるぐらいなんだとか。

「何かについて尋ねるとき、英語ではロジックを重視するため、『Why』に対する『Because』の会話が基本になります。『Why do you do this (in Japan)?』、“なぜ(日本では)そうするんですか?”と聞かれたら、『We do this, because~』、“それは、~だからです”と、きちんと理由を答えると評価が高い。日本の文化や歴史すべてに精通するのは難しいので、書道や武道などの習い事などで何かひとつだけでもかじっておくのがオススメ。リスペクトされることうけあいです」

相手が聞き取りやすい英語で話し、相手が求める日本についての知識を、理由をつけて説明する。英語圏ビジネスマンを思いやる“おもてなし”の気持ちが、尊敬を得て“デキる”と思われるためには大切ってことなんだ。